自分の源泉を見つける
「自分の中に在る源泉とは何か」、こう考えた時、それは活力源であり、モチベーションを生み出す噴火口のようなイメージを想起します。
果たして、私の噴火口はどこにあるのか。これを直接探り当てることは難しそうです。最も高いエネルギーが湧き出た経験を思い出すことから始めてみます。
「え?あなたが看護師?全然向いているとは思えない」
多くの友達が口をそろえるように、私の決断を疑いました。
これまでの仕事と大幅に異なる道を選択したのは40歳という節目が見えてきた頃でした。
その選択はある日突然、何かの啓示の様に訪れました。スイスの深層心理学者であるカール・グスタフ・ユングが、人生を1日の太陽の動きになぞらえたように、
私は、太陽が頭上を通り過ぎたことを感じたのです。
「どんなに夢の様に思えることでも実現できる」と息巻いていた自分が、その根拠のなさを自覚した瞬間でした。
午後の日差しへと傾いた太陽が、仕事への姿勢の中に、「夢を楽しむ」だけでなく、「誰かの役に立つ」「貢献する」という在り方を照らし始めたようにも感じました。
友だちの疑問はそのままに、私は、看護師という資格を取り、その後、実践に身を置きました。
決して楽な仕事ではなかったです。命に直結する行動の連続でした。
そんな中で、私は、患者さんから多くを教えてもらいました。痛みをこらえながらも家族の前では笑顔でいる人、病室内でも仕事をする人、頑なに病気を否定する人・・・。
「病い」という事実をどう受け止め、どう立ち向かうか、在り方が問われているようでした。
在り方が問われるのは、患者さんだけではありません。傍らにいる私自身も答えが出せない問いを突き付けられます。
「絶対これが正しい」という問いへの答えはありません。そこに、僅かであれ自分なりの意味が見いだせれば、その選択を良しとできます。
曖昧さに耐えることの必要性も知りました。
全然向いていないと言われた仕事の中に、私はたくさんの意味を見出だすことができたとも言えます。
「やりがい」という言葉だけでは言い尽くせない多くの意味を。
そして、意味を見出すこと自体に面白さ、楽しさを感じました。これは、そのころにできた新たな噴火口です。
未知なことに挑戦し、その経験の中に新たな意味を見出すことが、私の新たな源泉となりました。
数的に、また、質的に豊かになった源泉を「自分らしさ」「強み」として認識しながら、未来に向けて、どう活かすことができるでしょうか。
「豊かにすること」、「活かすこと」、これらを両輪としながら生れ出る問いに対して意味を見つける・・・。
これは、コーチングの生み出す旅そのものです。
あなたも一緒に、こんな旅に出てみませんか。