こんにちは、コーチングプラットフォーム認定コーチの坂本忠弘です。

マイコーチとの最近のセッションでの問い、「例えば『坂本さんって、いるのかいないのかわからない、空気のような存在ですね』と言われたら、どうですか?」。

国際コーチ連盟が定めるコーチとしての重要な資質(コア・コンピテンシー)の中に、「今ここに在り続ける」(Maintains Presence)というものがあります。「開放的で柔軟で安定的で自信に溢れる態度を以って、クライアントに対して感覚をフルに開き、今ここに共に在り続ける」とされています。

コーチングの道に入られてくるみなさんに微力ながらサポートを行い、同時に自分自身の学びを深める機会として、コーチングプラットフォームの講座に、私もアシスタントとして参加しています。

そして、私の関わりが深い金融業界でコーチングを活用したプログラムを行い、認定コーチの仲間に、サポートをお願いすることが増えてきています。

もともと私は、一人で“場を回す”ことが平気というか、むしろ一人で場を回したいと思うタイプです。しかし、アシスタントとして入り、また、仲間にアシスタントをお願いする中で、そのような自分に変化が生まれてきていることを感じています。

アシスタントをする中で、プログラムの最中にどうしようかという局面で、表舞台の見せる立ち回りでも、水面下の見えない下支えでも、講師やアシスタントが気づいたことで自分ができることを伝え合い、そして力を合わせ、自然体で事に臨む経験をしています(ざわざわとすることも勿論ありますが)。

その積み重ねの中で、一人で場を回している時にも、心の中で、さてどうしたものかと自問自答する場面で、○○さんと一緒だったら、みんなと一緒だったら、どうするだろう、と、少し落ち着いて考えることができるようになってきています。

私の場合は、こうしなければという、やや過度なきっちりした対応が頭に浮かび、そうできないと心が乱れる傾向があります。しかし、それを少し手放して、「いま、この場で、できるだけのことをする」ということに、前よりも集中できるようになってきています。

つい先日のこと。金融業界のプログラムにおいて、後半の部に認定コーチの複数の仲間にサポートで入ってもらいました。

当日の事前の打合せで、その一人から、「坂本さん、少し緊張していますね」と、声をかけられました。以前は、“力んでいる自分を、力んで否定しようとする自分”がいたのですが、今は少し変わり、「そうか、やはり力が入っているのか」と受けとめていました。

その後、一人で進行を担って場を回している前半の部で、私自身のZoomが落ちるということが起こったのです。そんな事態には、これまではWiFiやPCが悪いと当たることが結構あるのですが(そんなことをしても本当にどうしようもないのですが)、この時には不思議に冷静に復帰することができました。うまく表現できないのですが、打合せの際の一言が私の中でなにか作用したように感じました。

そこに共にいてもらうこと。いま私は、コーチングプラットフォームの講座にジュニアアシスタントとして関わっています。自分が受講していたとき、アシスタントの方々の存在が安心と前進の大きな力になりました。

アシスタントとしての経験回数や今後の関わり方の各自の考え方に照らして、ジュニアアシスタント・アシスタント・アシスタントリーダー等のステップがあります。自分自身での仕事の世界では場を回した経験がそれなりにあり、当初はここでも早く自分でそうしてみたいという気持ちが正直ありました。

でもいまは、講座への参加者のみなさんと近い存在だから、共に見えたり感じたりできることもあるのだと思います。そういう存在として一緒にいる時間を楽しもう。経験を積んでできることは増えるのだから。

冒頭のマイコーチの問いに戻り、“いい人と見られたい”というようなセルフイメージ、最近の私では“よい影響を与える人と見られたい”ですが、それをどう取り扱っていくか、一人ではなかなか立ち向かえないことを、丁寧に取りあげてもらっています。

そこに共にいること。冒頭の問い、一つの正しい答えがあるものではないと思いますが、いまの自分なりの答えがひとつ浮かんできたように感じています。

「空気のような存在」への考え方が少し変わり、階段を一歩上がったような感覚もあり、そこから見えてくる風景は、また少し違ったものになるのでしょう。