こんにちは。

コーチングプラットフォーム認定コーチの井上里絵(いのうえ りえ)です。私は看護師をしています。

「患者さんの療養指導に役に立つ」と上司に勧められたコーチング。

「これで患者さんを変えられる」「指導のスキルが上がって上司からの評価も良くなる」という、今から思うと下心しかない状態で学び始めました。その当時は、こんなに自分と向き合うとは思っていませんでした。

あれから6年。私は自分がどうしたいかを深く問い、自分がやりたいことを選択できるようになってきました。その中でも印象深かった出来事を、今回シェアしたいと思います。

私の目指す看護師とは「親しみやすく、頼りになる看護師」

患者さんから見ても、一緒に働くスタッフから見ても「専門知識があってしっかりしているのに話しかけやすい」という印象を目指し、日々を過ごしています。

以前、私は糖尿病療養指導士という資格を持っていました。

この資格は、丸一日の講習を受け、10人の患者さんに対して指導した内容をレポートにまとめ、仕上げにまた丸一日かけて試験を受けるという、取得するには大変な道のりがある資格です。受験資格を得るために、専門医のもとで2年以上勤務する、1000時間の療養指導実績があるなどの条件もあります。

そんな大変なことを乗り越え、やっと取得した資格でしたが、5年ごとに更新があります。更新は新規で受験するより遥かにハードルが低いのですが・・

今から4年くらい前に更新時期となり、病院を変わったばかりの私は、更新するかどうかを迷っていました。

そんな時、コーチに「その資格は里絵さんにとって、どんな風に必要なのですか?」と問われました。

私は一瞬言葉を失いました。

「資格は必要」とは思っていましたが「どんなに風に必要か」は考えたことがなかったのです。その問いを受けたことで、私の中に「資格や肩書きは素晴らしい」という基準があることに気づきました。

その気づきから考えが広がり、そういえば私は、糖尿病療養指導士だけでなく、看護師長とか、社長とか。その肩書きだけで人を判断して、場合によっては媚を売ったりしていたという自分に気づきました。笑

コーチは「患者さんやスタッフは、その資格があるから里絵さんを頼りにしているんですか?」と言いました。

私はその質問に違和感を覚えました。

資格を取る前でも、私のことを頼りにしてくれる患者さんやスタッフはいました。別に資格があるとかないとか、見た目では分からないしな・・と。

「資格や肩書きが素晴らしい」という自分の基準があることは分かった。では、その上でその基準を持ち続けるべきか、書き直すのか。

次は「自分はどうしたいか?」を選択をする段階です。

私は考えていく中で「もし、資格を失効したとしても、必要だったらまた取ればいいかな」と思いました。大変なことですが、なんとなくできそうな気がしたのです。

結果、私が出した結論は「資格を更新しない」というものでした。そうは決めても少し惜しいことをしたかもしれないという思いも抱えつつ・・・

そしたら何が起こったと思いますか??

・・・・何も起こらなかったんです。いい意味で。

資格を失効した私は、今までと何も変わりませんでした。看護師として、色んな人に頼りにされました。転職したばかりで、病院での経験年数も浅かったのに・・・頼りにされました。

その時に私が得たものは「自信」です。

今まで「自信」というと、ちょっと上から目線の偉そうなイメージだったのですが。書いて字のごとく「自分を信じる」ってこういうことなんだなと実感しました。

そうやって自信を得た私は、とても穏やかに仕事ができるようになりました。今まで人(特に上司)からの評価が欲しくて、一生懸命頑張っていましたが「このままでいいんだ・・」と思えるようになり、適度なエネルギーで働けるようになったのです。家に帰ってから、ぐったり疲れてとりあえず寝る・・・なんてことがなくなりました。

この選択で、こんな結果になるとは思っていませんでした。

自分の中に当たり前にある「基準」

それを見つめ、向き合い、行動を選択し、実践する。

日常生活を生きているだけでは気がつかないことがたくさんあります。私は、講座やマイコーチとのセッションを通して、今までのたくさんの経験を積み重ねてきました。こうした経験が私の未来を創っていくんだなと今は思っています。

ファウンデーションを整えていくということは、自分のかけらを集めることだと先輩コーチに教えてもらいました。

これからもファウンデーションを整えながら自分を見つめ、納得した選択を重ねながら生きていきたいと思います。