こんにちは、コーチングプラットフォーム認定コーチの坂本忠弘です。

コーチングにおいて、まず重要なポイントになる、ゴール設定、目的や目標を明確にすること。私は自分自身の物事においても、また、コーチとしても、この取扱いが課題と感じることがあり、「課題は成長の種」として励んでいるところです。

私には、ゴール設定をきちんとすることに関して、固定的にしばられるのはどこか窮屈というような潜在意識があるようです。

しかし仕事上の対話においても、その対話の目的や対話の中で到達したい目標を明確にした上で話をしていかないと、効果的に相互理解が進まないことや、それぞれの意図や話が噛み合わないということが起こりがちになることに気づきました。

自分自身の物事についても、曖昧にして進み出す傾向があったのですが、それよりも、大きな方向性をはっきりと持ち、そのもとでこまめに目標設定をして、進む中で自ら軌道修正やファインチューニングをしていく方が、自分も周囲も動くのが楽になることを経験しています。

私が関わる金融機関や事業会社において、自ら考え行動していく“自立型人材”の育成、その土台となる組織文化の醸成が、最近は共通するテーマとなっています。

いわゆるノルマ(上意下達の数値目標)をなくし、自ら目標を設定して主体的に取組みを進める、上司や同僚はそれを支援していくことが期待される、という流れにあります。

これはまさに、コーチングにおけるGROWモデルと重なるようなもので、双方向性・継続性・多様性(それぞれに応じた百人百様の関わり)のコーチングの原則が当てはまるものだと思います。

同時に、組織やチームの大きな目標と各人の設定する目標をどう整合させていくかが、部下との関係における課題として、最近よく相談を受けるところです。これについては、組織の目的や方向性と個人のそれの重なるところを見いだすことが鍵になると思います。

そのためには、コーチングでも学ぶ俯瞰的な視野を持って目標設定等の支援を行うことが重要になります。そして、うまく重なりを創りだすことが、当事者意識とモチベーションを高めることにつながると思います。

さらに最近は、パーパス経営というようなことが提唱され、個人と社会と会社と、これら3つの目的や進む方向性の重なりを考えていくことが増えてきています。

自分が得意なことや成し遂げたいこと(個人)、社会やお客さまの役に立つこと(社会)、会社から職場で期待されていること(会社)、これらの重なり合いを考えてみて、“目的や目標の共有地”を、どのように広くゆたかなものとしていけるかが、問われているように感じています。

そのためには、やはり主語は自分として言葉に表してみること(言語化)が大切で、目的や目標を明確にすることが、“主体的な考動”につながるものと、あらためて感じます。

そして、目標については、“静的固定概念”として取り扱うのではなく、“動的適応行動”(状況に応じて適宜修正しながら実践行動を進めていく)とでもいうような感覚を持ちながら臨むことがよいかと、個人的には考えたりしています。

コーチとして言語化をサポートするベースとして、積極的な傾聴、「聴く」「訊く」「効く」「利く」につながる姿勢を深めたいと思います。