こんにちは。コーチングプラットフォーム認定コーチの三谷千花です。

先日参加したワークショップのテーマは「未完了」でした。
思い出したのは、元上司のお葬式でした。30年にわたる会社員生活の中で、最も輝き、仕事を最高に楽しんでいた時期に所属していた部署の部長だった方です。その後、自分の人生が大きく変化し、展開するきっかけとなったときも、この上司のバックアップがありました。

7月三連休の初日、愛知の実家に帰省していたところ、その上司の奥様からショートメールが届きました。上司が急逝、お通夜、告別式があるとのことです。お葬式は福岡です。

上司は引退して何年もたっていましたが、平均寿命まではまだ何年もあり、信じがたい思いの中で電報を打ちました。その上司への感謝の気持ちでいっぱいでした。ふと、三連休は3日目の予定のために帰省、2日目には予定がないことに思い至りました。飛行機を予約、福岡へ行き、打電した住所を頼りにお葬式に参列しました。まさか行くことになると思わず電報を打ったので、現地で自分の電報が読まれるのを聞いて不思議な感覚でした。

行こうと体が動いたのは、それ以前に、あるお葬式に参列しなかったからです。会社の方の、大きなご葬儀でした。社葬だったかもしれません。仕事も忙しかったので、会社の関係者ですし、仕事で行けないのなら仕方がない、社員が仕事を優先するならその方も許してくれるだろうと思いました。私が行く行かないの影響はゼロです。それでも、私と同じような立場の多くの社員が、忙しい仕事をやりくりしてお葬式に行きました。お葬式に行く社員、その後戻ってくる社員を、私は仕事をしながらぼんやりと見ていました。

後悔しました。なぜ行かなかったんだろう。一生に一度しかない機会だったのに。都内の便利な場所だったこともあり、数時間で花を一本手向けて戻ることはできました。そうした社員も大勢いたのです。この葬儀に行かなかったことは、私の中で、未完了となって残りました。

私は、この社葬の方を尊敬していました。彼の下、社員みんなが元気で仲良くやりがいを持って働く、すばらしい企業に勤務できたことに心から感謝していました。葬儀に行ったら、これを伝えたかった。

この葬儀不参列という未完了に動かされ、大切な元上司のお葬式に行くことができました。この未完了は、社葬の方が遺してくれた贈り物かもしれません。この未完了を物理的に完了することはできませんが、これが教えだとしたら、この未完了も昇華し、成仏できそうな気がします。

未完了をリストアップすると、なぜか完了したり、いつの間にか完了していたり、今回のような働きをしてくれることもあります。だんだん軽くなっていくのは、なかなか見ものです。あなたの「未完了」、一緒に取り組んでみませんか。