こんにちは、コーチングプラットフォーム認定コーチの坂本忠弘です。

コーチングの構造のひとつとして、オートクラインというものがあります。
日頃からの信頼関係に基づく、何でも話せる安心感の中で、相手(クライアント)が考えていることを色々と話してもらう、そして、“自分が話していることを自分自身で聴き”、“自分の言葉から気づきを得る”、というものです。
コーチは、傾聴、ペーシング(コミュニケーションする上で“ペース”を合わせる)、承認、フィードバックなどで、それを促す環境を整えます。
その本人が、自分の言葉から得た気づきを、行動へ結びつけていく。そのような自らの意志に基づく選択と行動をサポートすることが、本人の“答えを引き出す”というように言えます。

私は企業経営のコンサルタントでもありますが、時代の潮流の中で最近は組織開発やチームビルディングに関わることが増えてきています。そこでいつも感じることは、「主語が他人であるかぎり、いつまで経っても変革は他人事」ということです。
うまくいかないのは、社長のせい上司のせい、同僚がわるい部下がよくない、そもそも外部環境が恵まれないから。肝心な「自分」のことが、出てこない、ということがままあります。これでは、責任を押し付け合い、何も前に動かない。
そうではなく、自らの行動の選択も責任も、自らの意志で「自分に引き寄せる」ことから、物事が動き出し、可能性が広がるように感じます。

それでは、本人の当事者意識を高め、どのように成長を支援していけばよいのか。
国際コーチング連盟(ICF)のコアコンピテンシーの「クライアントの成長を促進する」(Facilitates Client Growth)パートにおいて(ICF-Japanサイトより引用)、例えば、
・ 新しい学びを統合し、広げるような目標、行動、説明責任の尺度を創り上げるために、クライアントと協力し合っている(Partners with the client to design goals, actions and accountability measures that integrate and expand new learning)
・ どうやって前進するのかを、使える情報、支援、障壁の可能性なども含めて、クライアントが考えるようにいざなっている(Invites the client to consider how to move forward, including resources, support and potential barriers)
というように記されています。クライアントのポテンシャル(潜在能力)を誠心誠意、様々に考えていく、とも言えるのでしょうか。そして、
・ クライアントの成長と成功を祝福している
とされています。個人的には、その「成長と成功」を「信じること」が大事になるように感じています。

私はもともとの官僚としてのキャリアも影響しているのか、目に見える範囲の材料(いま現実に起こっていること)で物事を判断しがちです。しかし、自ら成長する、相手の成長を支援するには、未来の可能性(こうなればいいと想っていること)に目を向け、それをより明確にイメージできるようにしていくことが大切だと感じています。
信じること、「相手を信じ、自分を信じ、未来を信じる」。コーチとしても、身の回りの人間関係においても、それを大事にしていきたいものです。

まだうまく言語化が十分にできていないのですが、その「信じること」が、「自分に引き寄せる」ことにつながるように思います。
そして、「信じること」も、自己基盤(ファウンデーション)を整えることの大きな一つの要素であるように思います。