こんにちは。コーチングプラットフォーム認定コーチの神田尚子です。
自分自身を理解することの重要性はいろいろな場面で耳にします。しかし、自分を知ることが一体なぜそれほど大切なのか、私は長い間しっかり言語化することができませんでした。いつも頭の中でぐるぐる回っていたものが
「なぜ自分を知ることがそれほど大切なのか」
この問いでした。
月に一度のコーチングプラットフォームの講座では、幾度となく、コーチからフィードバックを受けとります。ある日、あるコーチからこんなふうに問いかけられました。
「あなたは、感想を共有する場面で、最初に意見を言うことはこれまでになかったと思うのですが、どんな理由があるのですか」「誰かの後で発表することで何か得しているのでしょうか」
不意を突かれたように、私の頭は思考停止。即答することはできませんでした。私自身、まったくわかっていなかった自分の傾向に対する問いでした。
しばし考えました。内省の時間です。
すると、それまで知らずにいた自分の知らない横顔が見えてきました。
人の話を聞いてから湧き上がるもの自分の考え、想いを言葉にしていくことが好き。
「得をしている」という表現は、受け止め方によってはネガティブに聞こえるかもしれません。しかし、信頼しているコーチの言葉は、言葉のまま、素直に私の中にしみこんできました。
後から発言することで、自分にとってプラスになることが何かあるのではないかという問いかけです。
誰かの意見を聞いて、それを起爆剤として自分の中にあるものを表出させる。
確かにそうです。私の思考回路の傾向を知りました。一番初めに手を挙げて発する言葉よりも、誰かの意見を聞いて湧き上がる思いを語る・・・。私はそこに価値を見出していたのです。
みなさまご存じのジョハリの窓。「他者には見えているけれど、自分には見えていない自分」が存在する右上の窓は、自分だけで開けることはできません。信頼できる他者、コーチのフィードバックによって、はじめて開けることができます。コーチの力を借りて、ようやくこの窓を開けてみると、誰かの後に発言したい私がそこにいたのです。この時、自己理解が深まりました。そして理解を深めるだけでなく、今後の課題も見えてきました。
人の意見を起爆剤とするだけでなく、自分自身が誰かの考えを引き出す起爆剤になることもできるのだということ。
この自分の傾向を知ることにより、「最初にものをいう人」の存在にも改めて気づくことができました。場の起爆剤となれる人、他にもその人には目的があるのかもしれません。
自分自身を知るということは、自分の中にある新たな「色」を知ることです。
既に知っていた自分の12色が24色、36色と彩を増すことで、さらに鮮やかな色遣いができます。また、他者の描く多彩な色を理解し、味わうことができます。
心のひだに沁みるコーチのフィードバックは「私の知らない自分」の窓を大きく開けてくれました。
みなさんも、「自分の知らない自分」の窓を一緒に開けていきませんか。