こんにちは。コーチングプラットフォーム認定コーチの神田尚子です。

4月も中盤を過ぎ、多くの会社では新入社員の受け入れが、佳境、もしくは、少し落ち着いた状態なのではないでしょうか。私の所属する組織でも、新入社員たちは、それぞれの配属先へ巣立っていきました。

毎年新入社員の研修を企画実施しています。特に大切なのは学生から組織人へのマインドセットを切り替えること。何かと「依存」していた状況から、「自立」し、会社の仲間と互いに協力できる「相互協力」を目指します。私は、このマインド領域の研修を担当しています。テーマは、「人格を育てる」。時代、世代の傾向、そして配属先の声を組みし、変えるべきところは変えながらも、この軸はぶれないようにしています。

「言われたことしかしない」、「表面的にはわかっているようだけど、やる気、熱さが感じられない」など、配属先からこのような声が、ビシバシ届きます。裏返せば、「言われなくても、やる気と熱さをもって自ら仕事に取り組める」ことが新入社員の課題というわけです。

「誰かがやきもきして彼らの背中を押している状態。どうすれば自分で自分を駆動させられるのか・・・。」

このような経過があり、「自分で自分のエンジンをかけるにはどうするか」ということに、今年はフォーカスできるよう研修を組み立てました。

そんな時、とうの昔に新人時代を卒業した私は自分に問いかけました。「私はどんな時に、敢えて自分にエンジンをかける必要を感じているのだろう」 ここをしっかり言語化することで、新入社員にも納得いく話ができそうです。

この言語化は、ひたすら自分に問い続ける過程を経ます。「一歩踏み出すことにブレーキをかけているものは何?」「踏み出さないでいることのメリットは?」「エンジンをかけて得たい成果は?」「成果を一番喜んでくれるのは誰?」「成果が上がらない要因は?」「成果が上がれば何が変わる?」・・・。

問うてくれる相手がコーチであっても自分であっても、問われてはじめて考えることができます。考えた結果、浮かんできた考えを言葉として語ります。そしてその語りを自分の声として聞きます。「問い、考え、語り、聞く」、一連の流れの始まりは「問い」です。最も重要なのは「問うこと」です。何をどのように問うかによって考えることが変わってきます。「漠然とした答えしか出せない漠然とした問い」「同じところばかリを回らせてしまう展開のない問い」もあれば、「深く自分に切り込む問い」「建設的に具体的な未来を考えることができる問い」もあります。問いの質によって、考えの質が決まり、そして、どのような問いを重ねるかにより、思考の流れが変わってくることを実感しています。

今回の言語化で最後に威力を発揮した問いは「意図することなくエンジンがかかっている状態は?」でした。この問いにより「仕事の目的を見出せている時、やっていてわくわくする自分を感じられる時、仕事の成果が誰を幸せにすることに繋がるのかをはっきり理解できている時」すでにエンジンがかかっている状態だと明確に言葉にできました。敢えてエンジンをかけなければならないのは、これらの状態になっていないわけです。

自ら問いたいことを問い、そこから考える・・・。「考えさせられる」問いとは、一味違う問いの力、コーチングを通して、みなさんも一緒に感じてみませんか。