こんにちは。

FBC認定コーチの瀬渡 裕希美(せわたり ゆきみ)です。

今日はコーチングの基本の「き」、傾聴についてお話ししたいと思います。

私はコーチングを学び始めてまだ2年くらいなのですが、日々の生活でコーチングを学んで良かったと思ったことの一つに「傾聴」があります。

「傾聴」とは人の話をじっくりと興味を持って聴くという行為ですが、普段私たちは何気なく人の話を「聞いている」ことが多いのではないでしょうか。

食事の支度をしている最中に子どもに話しかけられたり、会社で仕事中に同僚に話しかけられることはよくあることだと思います。

そんな時に手を止めて、相手の顔を見て話を聴くと子どもや同僚が思いがけないことを話してくれることがあり、
そんなことを思ってたり、心配していたのかと気づかされることがあります。

それは、私たちが聴く姿勢になっていることを相手が感じてくれているから、普段話さないようなことや、その時の気持ちまで話してくれるのだと思います。


私事になりますが、今は大学生の娘が子どもの頃、私の口癖は

「ちょっと待って」

でした。

一日に何回、娘に向かって言ったか分からないくらい家事の最中や在宅仕事の最中に話しかけられるたびに

「ちょっと待って」

と言っていました。

まだ、言葉がしゃべれない頃から、もうそろそろお腹がすく時間だなと思うと、先走って

「ちょっと待っててね、もうすぐだから」。

保育園から帰ってきて「お母さん、あのね」って言っただけなのに、私の返事は

「ちょっと待って」。

最初は、じっと待っていた娘も、だんだんと私の様子を伺うようになって話をするタイミングを見計らったり、話をしようとしなくなった時期もありました。


こんな20年近く前のことを思い出したのは、毎週土曜日に私がライフワークとして関わっている、日本語補習校で感じる以下のような状況からでした。

時々やんちゃな行動をとったり、皆と同じ行動をとるのが難しい低学年の子どもたちと関わる中で、人は自分の話を聴いてい欲しいもので、

しっかりと興味を持って聴いていると、いろんな話や本音を話してくれるようになる。

彼らの気持ちを聴くことを心がけ、質問をなげかけ、注意したい気持ちを抑えて、こちらがやって欲しいことを具体的に伝えるコミュニケーションに変えてから、

彼らの方から話しかけてくれるようになったり、彼らも私の話を聞いてくれるようになりました。


話を聴くという、シンプルなコミュニケーションですが、続けていくことで関係性を良い方向に変えていくことができる傾聴。

具体的には、せっかく話してくれたことを否定しないで、事実として受け止め、どうしてそう思ったのか、どうしてその行動を起こしたのか、決して責めるような口調ではなく静かに聴き(訊く)、

それに対して私が感じたことを I Messageで

「私は〇〇と感じたけど、どう思う?」

と質問をすることを重ねていく。

すると子どもたちは、そんな会話から逃げたい気持ちもあって「わからない」と簡単に答えることが多いのですが、

「わからない、ってどんな感じ?」

と自分の行動や気持ちに向き合ってもらうことで、バツが悪そうな顔で起こしてしまった行動が良くなかったなと感じはじめているのが見て取れることがあります。

「べつに」と言って、自分が起こしてしまったことに向き合いたくないといった態度をとる子もいますが、

遠回りになっても、別の話題をふって、そこから話を聴いていくと彼らの気持ちや感じているストレス(学校にいきたいくない、宿題が大変、お友達と上手くいかないことがあったなど)を話してくれることもあります。


大人は忙しくて子どもの話にじっくりと耳を傾ける時間が取れないことが多いですが、

一旦、大人の事情や気持ちを脇に置き、子どもの話を聴く時間を持つ。

言葉では言うのは簡単ですが、日々の生活では思うようにいかないことが多いと思います。

「ちょっと待って」

の一言を具体的に

「あと、10分待って」

に変えたり、話を聴くその自分との約束でもあり子どもとの約束を守ることの積み重ねが、

お互いの、声のかけ方が変わることで関係性が良くなることもあるのだなと感じる日々です。


傾聴から始まるコーチングのスキルは、日々のこんな場面でしっかりと役立っています。

もっと早くにコーチングに出会っていたら、私の子育てはどんなふうになっていたのだろうと想像すると娘に申し訳なく感じることもありますが、

話を聴いて欲しいと思ってもらえるような、そして話してくれる時にはしっかり聞ける母(大人)でありたいと思います。

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