コーチングプラットフォーム認定コーチ@松本美和です。

あなたは、日ごろ、自分の意見を我慢せず主張できていますか?

私は、ある出来事をきっかけに
《アサーティブな伝え方》
~相手の主張も受け入れながら自分の主張もするコミュニケーションの技法~

を実践することができました。

今回、数年前に実際に起こった私の体験談をできるだけ詳細に再現しながら、これをお読みくださった皆さまにも活かしていただけたらと思いました。ぜひ最後までお読みいただけましたら嬉しいです。

私はもう29年ほど、ピアノ教室で指導しながら、一年半毎に発表会を開いています。長いときは4時間を超えるプログラムでの開催は、準備も、生徒さんの演奏のクオリティを上げるのももちろん大変なのですが、それでも毎回の達成感は言葉にできないほどの感動で、その回数も17回を数えるまでになりました。

私が大切にしているのは、みんなで作り上げる発表会。
最初のころは規模も小さかったので、一人でやれる部分も多かったのですが、生徒数が多くなるにつれ、私一人ではどうにもできない限界を感じていた時、あるお母さまの「私たちにできることがあれば、なんでも指示してください」の言葉から、保護者の方にもいろいろな係をお願いして現在に至っています。

発表会をに見に来て下さった多くの講師仲間からは《チーム松本の団結力を感じました》と言って下さり、それが本当に嬉しく誇らしく幸せに感じていたのですが・・・・・

ある時、発表会が終わったアンケートに一人の保護者から、これまで私が受け取ったことのないようなフィードバックをもらいました。

そこには
「この時代にスマホで動画撮影を禁止なんて、時代遅れも甚だしい」
「参加費を払って発表会に出演させているのに、なぜ、係の仕事をやらされなきゃいけないのかわからない。自分が小さい頃はこうではなかった。どういう気持ちでやらせているのかわからない」 

 などなど・・・  



実はうちの教室では、月に一度教室だよりを発行しているのですが、特に発表会の時期が近くなると、不安を感じる人が一人もいないよう、何のためにそれをやる必要があるのか、混乱する方がいないよう、できるだけ丁寧に伝えていると私自身は思っていましたから、それらのことは本当にショックでした。

まず考えたのは、
「私が知らないところで、この人が大暴れして、
良心的な保護者の皆様が傷つけられるようなことは
絶対に避けなくてはならない。」
でした。

ただうまい方法が見つかりません。
そして私はある方のアドバイスを受け、アサーティブを得意にしておられる方のセッションを受けました。

アサーティブの伝え方
相手を傷つけることなく、意見がかみ合っていない人と、互いに納得できる結論や解決策を導き出すことができる手法です。

「美和さん、理想の状態を教えてください?」
「その人に、教室を辞めてほしいです」

「教室を辞めてほしいんですね?」
「でも、辞めないと思うんです」

「どうして・・・?」
「辞める理由がないから・・・・」

「辞める理由・・・?」
「その人に、辞めてって言えればいいだろうけど
 そんなの言えません・・・・」

「なぜ?」
「だって、辞めてって言っても
 『ああ、そうですか』 というかどうかわからないし・・・」

「でも美和さんは、辞めてほしいんですよね
 どうして辞めてほしいの?」
「だって これまで何十年もかけて
 せっかくきれいに整地した畑を
 ブルドーザーで一瞬でグジャグジャにされそうでイヤ」

「ではアサーティブに伝えてみたら?」
「アサーティブ???」

「そう。今の美和さんは
 相手と対等な関係でなくなっているように見えます」
「そうですね。どこから突進してこられるか怖いです。
 ずっと怯えている感じです。」

「美和さんが伝えたいことは?」
「とにかく、辞めてほしい・・・」

「では、それを言い続けるんです」
「なんて・・・・?」

「美和さんは、何を大切にしているんですか?」

「私が大切にしてきたのは、みんなで作り上げる発表会なんです。
 だけどこの人、協力しないで、舞台でお客さんしてたいらしいんです。

 私、手伝ってはもらってますけど、本番が始まったら
 みんな、客席から演奏を聴けるように考えているんです。
 演奏が聴けないわけじゃない。
 だた、生徒さんが最高のパフォーマンスを発揮できるように
 リハーサルの時間は、皆さんに手を貸してほしいと思って、
 これまでできる範囲でとお願いしてきたんです。

 これまでは合意形成のもとやっていたつもりでした。
 でも今回、それがイヤっておっしゃる。
 『協力するのは嫌だけれど、クオリティは下げるな』
 って言われてる感じ・・・

 そんなのムリ。
 リハーサルは本番をうまくいかせるために必要だし
 そこは妥協できない。
 ただ、今回、私、もう今までのようには
 この親子に対しては、一生懸命関わる熱が冷めてしまいました」
 
「だったら、『うちのやり方、うちの方針には合わない』
ということを、凛とした態度で言い続けるんです」

「でも、相手がもし NOと言ったら?」

「NOと言おうが何と言おうが、
『あなたに合うお教室が必ずある』
『あなたのためにも、お教室を変わられたほうがいいと思います』
 と言い続けるんです」

「でも、きっといろいろ言ってくると思います。
 そしたらどうするんですか?」

「そうですね。たぶん
『あの時アンケートにあんなこと書いたから
 先生 気を悪くしたんでしょう?』
とか
『あのことは謝ります
 だから、そんなことは言わないでください』
 とかなんとか言ってくるでしょうね。」

「その時、何と答えればいいんですか?」

「答えない!!!!!」

「へ? 答えない? 聞かれてるのに答えない?
 相手は納得するんでしょうか・・・?」

「納得するもしないも関係ないです。
 1つ1つのことには答えない。

 『個別のことを言っているのではないです。
  ただあなたはうちの教室に合わないと
  私が思っているんです』
 を言い続けるんです。

「同じことを繰り返す・・・・?」

「そうです。
 『私の教室には合わないと思うので
   もっと自分たちに合った教室を選ばれたほうがよいと
  私は思います』
 ということをひたすら言い続けるんです。」

私にとって目からうろこでした。

そんな伝え方があったんだ‥‥汗汗

自分が伝えたいことを明確にする
そして、そこからズレないようにする。

相手は、論点をずらそうとしてくる。
なぜなら、自分の意見を通したいから。
相手には相手が信じている理屈がある。

私が譲れない理屈があるのと同じように
相手も、私とは違う考えがある。

相手は、自分の思いを
受け止めてもらえないと意固地になる。

ここはコーチングを学ぶ中で
いつも感じていたことではありました。

なるほど・・・・

このような経緯を経て
私は相手に、私の考えを伝えることができました。

と、予想した流れとは違って
アッサリと、私が望んでいた方向に
急ピッチで解決してしまい 
なんだかビックリ
拍子抜けしてしまいました・・・・(爆)

振り返ってみると
相手との会話を 事前に
しっかりとシュミレーションで来ていたおかげで
堂々と相手に向き合い、会話をすることができました。

その意味では、準備ってほんとに大事だなぁと思った次第です。


今回のことを通して 相手に伝える前に
①自分の譲れないポイントをしっかり確認すること
②伝えたいことをシンプルにしておくこと
が必要だと思いましたし、

付け加えるとすると 今 自分が伝えようとしていることは
<自分のためでなく相手のためである>
という視点を持っておくことが重要だと感じました。

いかがだったでしょうか?

今回、私が悩んだのは
最後、お互いが気持ちよく終止符を打ちたいという思いがあったからこそ、どう伝えたらよいのか? でした。

実際、それまで短い間ではあったとしても、私を必要としてくださった方に、今回の一件で最悪の結末になることは避けたかった。
今回、アサーティブな伝え方を実践したことで
~相手の主張も受け入れながら、自分の主張もするコミュニケーション~
ができたことは本当に幸いでした。

ご参考になれば幸いです。

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