こんにちは。コーチングプラットフォーム認定コーチの髙本由美子です。

コロナ禍のこの3年間は講座をオンラインに切り替えて継続していますが、この2月から3年ぶりの対面(リアル)開催がスタートしました。個人的にはオンライン、対面(リアル)開催それぞれの良さがあると思いますが、3年ぶりの対面講座にワクワクしている自分も感じます。講師、アシスタント、参加者の方が創り出すエネルギーは素晴らしく、解説本や受動的なウェビナーでは伝えきれないことを伝えられるのが対話型の講座ならではだと思っています。コーチングプラットフォームの講座はオンラインでも対面講座でも同じような場が創れるのが特徴で、ここは自慢できるところです。

自己基盤(ファンデーション)の講座では『自分自身の自己基盤』を整え、強めていきます。言い換えると、自分自身の理解を深め、ありのままの自分を受け止めていく力を高めていくことを目的としています。そうはいっても、本で読めばできる、講師から解説してもらえばわかるというものではなく、自分ひとりで向き合うことは難しいなと感じます。自分を理解するという作業は体験、体感が大切だからです。そして、自分が認識している自分と本当の自分は違うことがあり、そこは自分だけで見つけることはハードルが高いと思います。

自己基盤の学びの中に、「とらわれに気づく」というものがあります。とらわれとは、「…すべき、…ねばならない、常識として…、上司たるもの…、」といった自分で作った思い込み・枠組みのことを言います。私自身もこの「とらわれ」を多く持っていました(今でもまだいくつもあります)。その大きなものとして、「自分の意見よりも周りを尊重することが人として当たり前」「嫌われないためにはいい人でいるべき」というものでした。それは自分にとってあまりにも当たり前でした。

そんな私だったので、「今日のランチは何にする?」と聞かれると「みんなと一緒でいいよ」とか「何でもいい」と答えたり、会社で「ケーキの差し入れをもらったんだけど、どれが食べたい?」と聞かれると、「余ったケーキでいいよ」と答えていました。自分が選択することで他の人が不機嫌になるのではないか、自分は嫌われるのではないかという勝手な思い込みがあったからです。そして、そんな行動をとっている自分のことを好きになれない自分も感じていました。おかしな話ですよね、周りを尊重する人がいい人だと思っているはずなのに、その行動をしている自分自身のことを好きになれないんですから。

コーチングセッションの中でこのとらわれ、そして矛盾した自分の行動を扱ってもらいました。

コーチ「あなたが自分の食べたいケーキを選んだらどうなると思っているんですか?」
私  「自分が選んだケーキを食べたかった人が食べられず不満に感じると思います」
コーチ「あなたが食べたいケーキは他の全員も食べたいケーキなのでしょうか?本当に全員がチーズケーキを好きなの?」
私  「いや、そんなことないです。」
コーチ「あなたが食べたかったチーズケーキを他の人が先に選んだら、あなたはその人のことをどう感じるのですか?」
私  「チーズケーキが好きなんだな。じゃあ私はチーズケーキの次に食べたいショートケーキを選ぼうかなと思います。」
コーチ「それもありますよね。私ならチーズケーキ、半分ずつにしない?と提案するかも」

あれ?私は勝手にみんながチーズケーキを食べたいと思い込んでいるな、そしてそれを自分が手に入れられなくてもそんなに残念ではないな、欲しかったら分け合う方法もあるな、自分の意見を言われたからと言ってその人の事「嫌な人」とは思わないな、と急に頭の中が回転して、はっとさせられました。

そんな気づきがあってから、友人がドーナツをお土産に買ってきました。「全部私が好きなものを買ってきたから、先に選んで」と差し出され、真剣に悩んで自分が今食べたいなと思うドーナツを一つ選んだら、「それ、私も好き。おいしいよね」と嬉しそうに答え、彼女は違うドーナツを選びました。

あー、こういうことなんだなと腑に落ちました。みんなが同じ考えを持っているわけではないし、自分の意見を伝えたからと言って相手が嫌な気持ちをするとも限らないし、私の勝手な思い込みで自分自身をややこしくしていたんだなと。もちろん、自分の意見を絶対通したい、ということではありません。

思い込みを捨てると選択肢が増えます。また新たな気づきもあり、自分自身にもOKがだせると感じています。普段の生活では向き合うことがない「とらわれ」に真剣に向き合うことで自己信頼のきっかけになるかもしれません。

ファンデーションベースドコーチング(R)のコースでは私のような体験をしている講師、アシスタントが皆さんと一緒に向き合っています。一人でも多くの方が自己信頼を取り戻してほしいなと思っています。