コーチングプラットフォーム認定コーチの日下部亜希子です。
音楽教室でのある日のレッスン
元気のない様子で部屋に入ってきた生徒さん。
「先生、全然練習できなかった」
「だって運動会の応援団の練習があって、家でもいろいろやらなきゃいけない」
「学校の宿題も多くて、難しくて」
それを聞いて私はこのように返しました。
「それは大変でしょう?応援団って人一倍頑張らなきゃいけないし、それを求められるから。毎日暑いしすごく疲れてるんじゃない?」
その生徒は
「うん、すごく疲れてる」
心底ホッとした顔をして言いました。
「そっか、ご苦労さまだねえ。そりゃあ練習もなかなかできないだろうね。じゃあ全然弾いてない?」
「ううん、ちょっとはやったよ」
「じゃあやってみよう!」

コーチングやファウンデーション(自己基盤)を学んでいなかった昔の私には考えられない関わり方です(笑)
もちろん、これが正解だと言いたいわけではありませんし、これでいいのかな?と毎回自問自答して迷っている私もいます。
そんな甘いことを言ってたら、生徒から舐められるんじゃないのか?
あ、昔の私が言ってます(笑)
でもこのような関わりをする中で、生徒は私を舐めてこないことがよく分かりました。
『わかろうとする』人に対して、相手はきちんと「信頼」を返してくれます。
「どうせやっていない言い訳を言っているのだろう」
という『わかったつもり』だった以前の私には、生徒は「信頼」を寄せてくれませんでした。
さて、その生徒さん、たどたどしくも前向きにレッスンをこなし、最後の締めはやっぱりコーチングでしょ!ということで
「次回までに、どんなにちょっとでもいいからここまでは絶対しっかりやってくる!ていう目標を教えて?」
生徒さんは考えてから
「この2小節は絶対スラスラ弾いてくる!」
(うっ・・・2小節か・・・という心の声は飲み込んで)(笑)
「わかったよ。それは負担はない?」
「うん、負担はない!」
明るい表情で帰っていきました。
子供達は本当に頑張っている。周りの期待に応えなければ、という無意識の葛藤の中、本当にみんなよく頑張っていると思います。
それをねぎらいながらも、その中であなたにできることは何かと問い続けることが
いつか大人になった彼ら彼女らが、自分に問いを向けるきっかけになれば嬉しいです。
「今、私にできることはなんだろう?」と。
大人の皆さん、ぜひプラットフォームでコーチングを学ぼう。自己基盤を学ぼう。
自分のために、そして、未来ある子供たちのために。