コーチングプラットフォーム認定コーチの本間 季里(ほんま きり)です。

私達母娘は、大変折り合いが悪い関係でした。もう6年前に亡くなった母の方はそうは思っていなかったのでしょうが、私は母に対して複雑な葛藤を抱えていました。

そんな母でしたが、いまでも「良いこと言うじゃん」という言葉がいくつか心に残っています。その一つが、「どんな気持ちで子どもを教育してきたか」という母の考えでした。

「子どもたちにはどんな状況でも、どんな人の前に出ても自分を失わない、自分らしくいられる人になって欲しいと思っていた。極端な話だけれど、どこぞの国の王様の前に出ても萎縮せず、ホームレスの人の前でも尊大にならず、いつもの平常心でいられる人になってほしかった。だから、普段は長屋に住んでいても(いや、子どもの頃は本当に東京下町の長屋に住んでいたんです)、年に何回かは有名なホテルのレストランでフルコース料理を食べさせるようにしたし、いろいろな体験をさせたつもりなの。」

その効果がどの程度あったかはわかりませんが、これは母自身が多感な時期を戦争で苦労し、食べ物もろくにない状況をくぐり抜け、眼の前の人によって萎縮してしまう自分自身を恥ずかしく思い、そんな自分観察からでてきた言葉だったのでしょう。

コーチングプラットフォームでコーチングを学びながら、この母が言っていたことも「自己基盤=ファウンデーション」の一部なんだなと、後に気づきました。

こんなことを言っていた母ですが、今思うと母自身はファウンデーションがグラグラで、そんな母に育てられた私のファウンデーションもずっとグラグラでした。そりゃ仕方がないことだ。でも、おとなになったら自分で生き方は選べる。そう思ったけれど、随分遠回りしてきた。

でも、コーチングって、そんな全ての遠回りも全部私の血となり肉となり、余すところなく栄養になっている。私らしくクライアントに向き合えている。これからも私のファンデーションの旅は続くのでした。